Bioassay

1. Basic assay

1.1 DPPH assay
一般にラジカルは反応性が高く不安定ですが、DPPHラジカルは安定な有機ラジカルです。このDPPHラジカルが還元されると、紫色から無色になるという特徴を利用してラジカル消去活性を測定する方法で、測定試料の抗酸化能を測定出来ます。

1.2 Total polyphenol assay : 総ポリフェノール測定試験
試料中の総ポリフェノールを測定する方法としては、酒石酸鉄吸光光度法、フォーリン・デニス法及びフォーリン・チオカルト法が知られています。これらの方法は、試料中に含まれる総ポリフェノール量を発色的に定量する方法です。

1.3 MTT assay
MTT試験は,細胞増殖/細胞死を測定する方法の一つで,テトラゾリウム塩であるMTTの還元に伴う不溶性ホルマザン色素(青色)の呈色反応を利用しています。MTTの還元は,ミトコンドリアの還元酵素によって起こります。生細胞ではこの酵素活性が高く,呈色が認められますが,アポトーシスを含め細胞死が起こると呈色がなくなります。この呈色をマイクロプレートリーダーで測定することによって細胞の生存率を測定します。

1.4 LDH assay
LDH(乳酸脱水素酵素)は細胞質に存在する酵素で、通常は細胞膜を透過しませんが、細胞膜が障害を受けると細胞外、すなわち培地中に放出されます。LDHは乳酸の脱水素化を触媒し、ピルビン酸とNADHを生成します。NADHはDiaphoraseの触媒によりテトラゾリウム塩を還元し、赤色のホルマザン色素を形成します。この吸光度により細胞外に放出されたLDHを測定することで、細胞毒性を評価します。

1.5 Intracellular ROS assay : 細胞内ROS(活性酸素種)測定試験
脂質や細胞膜のリン脂質を酸化したり、蛋白やDNAに酸化障害を与える細胞内の活性酸素種生成を測定します。

1.6 Intracellular ATP assay : 細胞内ATP測定試験
ATP(アデノシン三リン酸)は細胞のエネルギー単位であり、生体内の各反応や生体維持にとって非常に重要な役割を果たしています。細胞の生存や増殖に不可欠である
ATPの産生量をホタル・ルシフェラーゼ発光法で測定します。

2. Neuronal assay

tmin.igakuken.or.jp

2.1 Acetylcholinesterase assay : アセチルコリンエステラーゼ試験
細胞の神経分化を神経伝達物質の合成、放出能力の観点から評価するアッセイです。神経分化後に活性化することが確認されている神経伝達物質分解酵素、アセチルコリンエステラーゼの活性化度合いを測定することで神経分化を評価します。

2.1 Neurite outgrowth assay : 神経突起伸長試験
この試験法は、顕微鏡下で神経細胞の形態変化を観察することで神経分化誘導能を評価します。分化の有無は、シナプスの長さ、または数によって判断します。

2.3 Neuroprotection assay : 神経保護試験
細胞生存率の測定することで、神経細胞毒による神経細胞死を防ぐ効果を評価します。

2.4 Anti-depressant assay :  抗うつ試験
実験動物を用いた強制水泳試験や尾部懸垂試験により抗うつ薬様効果を評価します。抗うつ薬様効果の有無はうつ発症を示す無動時間の測定により判断されます。

3. Intestinal assay


3.1 TER assay : 経上皮/内皮電気抵抗試験
ヒト腸管上皮オリジナルクローン細胞を用いた有害物質によるタイト結合の開閉を経上皮電気抵抗値(TER)で調べる試験法です。

3.2 alpha-Glucosidase assay : α-グルコシダーゼ測定試験
α-グルコシダーゼは糖のα-1,4-グルコシド結合を加水分解する反応を触媒する酵素であり、ヒトでは小腸上皮細胞に膜酵素として発現している消化酵素です。α‐グルコシダーゼは糖質を分解する酵素であるため、α‐グルコシダーゼ活性への影響を調べることによって、糖質の吸収抑制効果が評価することができます。

3.3 Cholesterol assay : コレステロール測定試験
コレステロールは,リン脂質とともに細胞膜の構造脂質として重要な物質であり,またステロイドホルモン産生の原料となります。コレステロールを定量的に検出することはコレステロール代謝研究において非常に重要であり、本試験法では試料中の総コレステロールを酵素結合反応により蛍光または比色法で定量します。

 

4. Immune assay


4.1 beta-hexosaminidase assay : β-ヘキソサミニダーゼ試験
抗原刺激によってアレルギー反応が引き起こされる際に、マスト細胞や好塩基球の細胞内顆粒中に貯蔵される生理活性物質が放出される脱顆粒という反応が起きます。この脱顆粒の指標として、β-ヘキソサミニダーゼが測定されます。

4.2 Histamin assay : ヒスタミン遊離試験
ヒスタミンは、局所免疫応答に関与する有機窒素化合物であり、腸内生理機能を調節し、神経伝達物質としても働きます。花粉や食品中の特定タンパク質(抗原)が体内に侵入すると、マスト細胞における生体防御機構(抗原抗体反応)が過剰に反応して、鼻水やくしゃみといった炎症症状が起きます。ヒスタミンはアレルギー反応や炎症の発現にメディエーターとして働くため、ヒスタミン遊離試験は、食品、医薬品及び昆虫毒に対するアレルギー患者の診断に用いられます。

4.3 Intracellular Ca ion assay : 細胞内カルシウムイオン測定試験
アレルギー反応の時に起こる脱顆粒反応の際に、マスト細胞においてカルシウムイオンが細胞内に取り込まれます。薬剤による細胞内カルシウム濃度変化をリアルタイムに測定します。

4.4 Immunoactivity assay : 免疫活性試験
マスト細胞は全身の様々な組織に分布する免疫細胞であり、即時型アレルギーだけでなく、炎症や寄生虫感染といった病態において重要な役割を果たすことが明らかとなっています。マスト細胞は、抗原刺激のみならず、リポ多糖やカルシウムイオノフォアの刺激によって、NOやサイトカイン、プロスタグランジンをはじめとした様々な炎症性メディエーターを産生するため、試料添加による炎症性メディエーターの抑制効果を検証することにより、試料の免疫調節・炎症に対する機能性を評価することができます。

5. Anti-cancer assay


5.1 Leukemia differentiation assay : 白血病分化試験
白血病細胞の分化は、分化した細胞の細胞表面に特異的に発現するマーカーを染色することにより検出されます。分化の間に、白血病細胞は、分化クラスターと呼ばれる異なる抗原を細胞表面上に発現し、これらの分子は、フローサイトメトリーを用いて細胞選別に利用されています。

5.2 NBT staining assay : NBT染色試験
ニトロブルーテトラゾリウムは、アルカリホスファターゼの高感度な検出のための免疫学で使用される化合物です。発色剤であるNBTが酸化され、アルカリホスファターゼの発色性基質であるBCIPが反応によって濃い青色を呈します。未分化多能性幹細胞は、その細胞膜上におけるアルカリホスファターゼのレベルが上昇するため明瞭なスポットとして検出することができるため、本試験法はこれらの細胞を検出することで多能性の評価に用いられます。

5.3 Giemsa staining assay : ギムザ染色試験
本試験法は、血液細胞の染色に使用されます。ギムザ液の主成分はアズール-II-エオシンで、塩基性色素は、好塩基性物質(核のDNA、細胞質のRNA、アズール顆粒など)を青紫色に染め、酸性色素は、好酸性物質(ヘモグロビン、好酸性顆粒など)を赤橙色に染めます。細胞核のクロマチンが固有の赤紫色に染まり、細胞質の各種顆粒が好酸性と好塩基性に染め分けられるのが特徴です。

5.4 Cell cycle analysis assay : 細胞周期解析
細胞周期はDNA合成の行われるS期,細胞分裂が進行中のM期,この両者の間にあって細胞分裂の準備などが行われるG2期,そして分裂終了から次のDNA合成開始までの間を占めるG1期に分けられます。細胞にはDNA損傷などの遺伝子異常が起きると、それを検知して細胞周期を一旦停止させる機構が存在します。ヨウ化プロピジウムでDNAを染色し、フローサイトメトリーを用いてDNA含量を分析することで、細胞周期を同定することが出来ます。

5.5 DNA fragmentation assay : DNA断片化試験
アポトーシス細胞死が誘導される場合は、DNAのオリゴヌクレオソーム単位での切断が起こります。このアポトーシスの特徴である規則的なはしご状のバンド(DNAラダー)、もしくは、断片化したDNAが尾を引くようなスメアをアガロース電気泳動を用いて検出します。

6. Lifestyle-related disease assay

6.1 Adipogenesis assay : 脂肪生成試験
肥満は糖尿病やアテローム性動脈硬化症などの命を脅かす疾患に起因する深刻な生活習慣病の一つです。脂肪組織が形成される脂肪生成の過程では、前駆脂肪細胞の脂肪細胞への分化が誘導されることがいくつかの細胞型で研究され、よく知られています。 本試験法は、脂肪生成誘導因子により分化した脂肪細胞を染色することで、3T3-L1細胞モデルにおける脂肪生成の分析に用いられます。

6.2 Adiponectin assay : アディポネクチン測定試験
アディポネクチンは脂肪細胞から分泌されるアディポサイトカイン (生理活性物質)の一つで、動脈硬化を抑制する作用や高血圧を防ぐ作用があります。さらに、インスリン感受性を高めてインスリンの分泌を節約し、糖尿病を防ぐ働きも担っています。アディポネクチンは内臓脂肪が増えるほど、その分泌が低下し、血液中の濃度が低下するため、ELISA(Enzyme-Linked ImmunoSorbent Assay)を用いて、アディポネクチン濃度を測定します。

6.3 Triglyceride (TG) assay : トリグリセリド測定試験
グリセリドは、血中脂肪の一種である中性脂肪です。トリグリセリドはリポタンパク質の構成成分で,その加水分解によって生じた脂肪酸はATP 生産のエネルギー源となります。生体内のトリグリセリド量の測定は,糖尿病,高リポタンパク血症,脂質代謝異常,トリグリセリド血症などの研究に有用です。比色法を用いて、トリグリセリド濃度を定量することで脂質代謝異常の解析用いられます。

6.4 Glycerol-3-phosphate dehydrogenase (GPDH) assay : グリセロール-3 – リン酸脱水素酵素試験
グリセロール-3 – リン酸脱水素酵素(GPDH)は脂質代謝において重要な酵素であり、NADを補酵素としてジヒドロキシアセトンリン酸からグリセロール3-リン酸を生成します。GPDH活性は脂肪前駆細胞が脂肪細胞に分化する際に急増することが知られており、前駆脂肪細胞を分化させる実験系において、その分化抑制物質のスクリーニングや分化機構を解明する際に主な分化指標として利用されています。吸光度の変化を測定することで、GPDH活性を測定します。

6.5 Alkaline phosphatase activity assay : アルカリホスファターゼ活性試験
アルカリホスファターゼはアルカリ性条件下でリン酸エステル化合物を加水分解する酵素であり、肝臓や骨、小腸をはじめ全身に広く分布しています。特に骨代謝の研究分野では骨形成マーカーの一つとして用いられています。吸光度を測定することで、ALPの活性を測定します。

7. Skin assay


7.1 Melanogenesis assay : メラニン定量試験
皮膚や髪の毛の色を決めるメラニンは、ほとんどの生物に見られる偏在性の天然色素です。人間の皮膚におけるメラニンの生成はメラニン形成(melanogenesis)と呼ばれており、可溶化後に405nmの吸光度を測定することでメラニンを定量することが出来ます。

7.2 Dermal papilla growth assay : 真皮乳頭成長試験
正常ヒト毛乳頭細胞の増殖を促進する因子の探索を行い、発毛促進効果を評価します。

7.3 Tyrosinase activity : チロシナーゼ活性試験
チロシナーゼは、メラニンの生成を制御するため律速酵素である酸化酵素であり、アミノ酸の一種であるチロシンと反応し、さらにいくつかの段階を経てメラニンを作り出します。チロシナーゼ活性は比色法、またはウェスタンブロッティングによって決定することができます。

広告